扁桃炎

 

cc233 主に口蓋扁桃(こうがいへんとう)に炎症をおこす病気です。のどちんこの左右にある口蓋扁桃が赤くなって腫れたり、扁桃表面が白色の膿(うみ)でおおわれます。

原因

 ウイルス感染によるものと細菌感染によるものがありますが、多くがウイルス感染によるものといわれています。

 原因病原体には季節性があり、ウイルス性のものとしては、夏季にエンテロウイルス(夏かぜウイルス)、また通年性にアデノウイルスやEBウイルスが知られています。アデノウイルスによる扁桃腺炎は、3~5日の高熱、白血球やCRPの増加が見られ、細菌性と区別が難しくなります。細菌性のものとしては、春から夏季と冬季にみられる溶血性連鎖球菌(ようけつせいれんさきゅうきん)がよく知られています。

症状

 のどの痛み、発熱、全身倦怠感(けんたいかん)、食欲不振があります。とくに小児の場合、経口摂取の不良により脱水症状をおこし、重症化することがあるので注意が必要です。

検査と診断

 症状と、扁桃の状態を観察します。血液検査では、白血球の増加、炎症の程度をみるCRPなどをチェックし、さらに脱水の状態をみるため尿検査をします。適切な抗生剤を投与するために、アデノウイルスや溶血性連鎖球菌の迅速診断、また、発熱が長引き、リンパ節の腫れや白血球の増加がみられる時にはEBウイルスの抗体検査を実施することがあります。

治療の方法

 十分な水分の補給、安静が大切です。薬物治療としては、発熱やのどの痛みに対して症状をおさえる薬を、細菌性と診断された場合は抗生物質、さらに口腔内を清潔に保つためにうがい薬が処方されます。炎症症状が強い場合や、脱水症状のある場合は、点滴治療や抗生物質の点滴投与が行われます。

(八木由奈)

 

 みみ・はな・のど   投稿日:2013/05/01