接種のスケジュール
予防接種はその病気にかかる前に受けなければ意味がありません。それぞれの病気にかかりやすい年齢がわかっていますので、望ましい接種時期が決められています。かかる前に接種するためにも、接種できる年齢(月齢)になったら、できるだけ早く受けられるように準備しておきましょう。かかりつけの小児科医を決めて、早めに相談しておくことがおすすめです。年齢(月齢)ごとに、いくつかポイントになることを、下に書いていきます。
まず、生後2か月になったら、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、四種混合(百日せき・ジフテリア・破傷風・ポリオ)、B型肝炎ワクチン、ロタウイルスワクチンを受けましょう。ヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンは、赤ちゃんにとって一番恐ろしい細菌性髄膜炎を予防してくれます。どちらの髄膜炎にいつかかるかは、だれにも予想できません。四種混合ワクチンは、2023年4月に「生後2か月」から接種できるようになりました。百日咳は赤ちゃんがかかると窒息の恐れがあり、確実に予防しなければなりません。そのために、接種を開始する月齢が世界標準の「生後2か月」に早められました。B型肝炎ワクチンも肝臓がんを防ぐために早期に接種しておくことが重要です。ロタウイルスは重い吐きくだしや脳症(けいれんが長く続く、意識がなくなるなど)を起こします。これらはぜひ同時接種で受けてください。接種が遅れることは非常に危険です。ワクチンがあるのにかかってしまって、一生後悔するようなことのないようにしましょう。また、生後5か月になったら子どもの結核を予防するBCGも忘れずに受けておきましょう。大阪は日本で一番結核の多い地域です。
また、1歳になったらできるだけ早く、MR(麻しん・風しん)と水痘を受けましょう。麻しんは今でも治療法のないとても重い病気です。かかってからでは遅いので、1歳の誕生日には受けられるよう、後期健診の時に予約しておくのもおすすめの方法です。費用はかかりますが、おたふくかぜワクチンも、ぜひMRや水痘と同時に受けておきましょう。
同時接種というのは、1回の受診でいくつかのワクチンを接種することです。先進国・途上国を問わず、世界中で広く実施されているもっとも良い方法です。多くの病気に対する免疫を早くつけることができます。どの病気にかかるかはだれにもわかりませんので、一つでも多くの病気に対して早く免疫をつけるというのは、当然のことですね。
ワクチンの効き目や副反応は、同時接種で増えも減りもしませんから、安心してください。むしろ、「紛れ込み」といってワクチンとは本当は関係のない副反応を起こすことも少なくなるので、より安全と言うこともできます。