ストロフルス・虫刺され

 

cc259 朝起きたらこどもの顔や手足が蚊に刺されて赤く腫れていた。公園に連れていったら虫に刺されたといった経験をされた方は多いと思います。何故こどもの方が虫に刺されやすいのでしょうか。それは大人に比べこどもの方が体温が少し高く、皮膚呼吸も少し活発であるということがその理由なのです。虫は温度が高く、二酸化炭素の多いところが好きなんです。それに加えて、こどもの皮膚は十分に防御の力がなく敏感なために赤くはれあがってしまうのです。これと似たものに、虫に刺されたところだけでなく身体のあちらこちらに点々と赤く盛り上がった発疹ができることがあります。とても痒がります。これはストロフルスといって、もう少し強い毒素をもった虫に刺された時にできるものです。

 一番多いのはチャドクガという虫に刺されたときです。公園などの生垣にある葉っぱの裏側にくっついている緑色の小さな虫です。葉っぱをちょうど半分きれいに食べているのでよく判ります。まれに食物に対する過敏症として起こることもあります。症状は2~10日位続いて、ぶつぶつとできていた発疹は硬くなり、そのあと色素沈着(赤茶色のしみ)がしばらく残ります。痒みが強いため引っ掻いてそこから細菌が入りこみ、二次感染を起こし、とびひの原因になることもあります。

 治療は、痒みを軽くするために抗ヒスタミンというお薬を飲んだり、塗ったりします。症状が強い場合はステロイドのはいった軟膏をつけるときもあります。細菌が入って化膿したときは抗生物質の軟膏を塗ったり、内服をすることもあります。

 過敏症のある食物を避ける、夏は虫に刺されないように注意をする。虫に刺されたらすぐ冷やして痒みをやわらげるなど予防と最初の処置が大切です。

(大林一彦)

 

 皮膚   投稿日:2006/09/01