かぜと肺炎

 

cc236 子どもの病気でもっとも多いのが「かぜ症候群」です。

 一般的には冬に多い病気ですが、一年中いつでもみられます。おとなのふつうのかぜは、3~4日で治るものですが、子どもはかぜで抵抗力が落ちると、気管支炎、中耳炎、肺炎などになりやすいので軽くみてはいけません。また、おとなにとってさほどでもない鼻かぜも、赤ちゃんがかかると鼻づまりになり、おっぱいが飲みにくくて、ふきげんになります。1~2歳までの子どもが、かぜから気管支炎になると、たんがうまく出せないためにのどをゼーゼーいわせることもあります。かぜの原因は殆どがウイルスで、その種類は160種類以上あります。感染したウイルスによって症状はちがってきますが、たいていは、鼻みず、のどの痛み、くしゃみなどの症状から始まります。ねつ、からだがだるいといった全身症状をともなうこともあります。赤ちゃんでは、せきやのどのゼロゼロ、鼻づまりのほか嘔吐や下痢などの胃腸症状もおこりやすいのが特徴です。かぜから気管支炎、中耳炎のほか肺炎をおこすこともよくあります。「肺炎」はかぜなどで気管や気管支の抵抗力が低下し、炎症が肺の中までおよんだときの状態をいいます。原因になる病原体によって分けられますが、赤ちゃんや子どもに多いものに、ぶどう球菌や肺炎球菌による細菌性肺炎、ウイルスでおこるウイルス性肺炎、またマイコプラズマ肺炎、クラミジア肺炎などがあり、一部を除いて熱とせきで発病し、レントゲン写真で肺炎像がみられます。いずれも重症になると入院治療が必要となります。治療は適正な抗生物質が効果的です。「かぜ症候群」「肺炎」いずれも治療の基本は、安静、保温、栄養補給です。静かな部屋の中で寝かせ、栄養と水分を充分とらせて抵抗力をつけることが大切です。かぜといって軽くみないで、ぜひ小児科医児科医を受診して下さい。

(小谷 泰)

 

 呼吸器・循環器   投稿日:2006/09/01