子どもの頭痛

 

cc222 一般的に頭痛は約40%の日本人が経験しているとされますが、成人だけでなく、子どもたちにもよく見られる症状の一つです。

頭痛の分類

 頭痛には大きく2つのタイプがあります。

 一次性頭痛:片頭痛や、緊張型頭痛、群発頭痛があげられ、頭痛患者さんの90%がこれに含まれます。

 二次性頭痛:頭頸部の外傷や、脳血管障害による頭痛、脳腫瘍、感染症に伴う頭痛、頭蓋骨や耳、鼻、副鼻腔、歯などの構成組織の障害に伴う頭痛(副鼻腔炎や虫歯など)、精神疾患による頭痛(てんかんなど)があります。

一次性頭痛の対処法

 小児では頻度は少ないものの、稀ではありません。特に、片頭痛と緊張型頭痛は小~中学生にもみられます。片頭痛は月に一回から数回、頭の片側が脈を打つような痛みが出現します。階段の昇降や運動により症状が激しくなることもあり、頭痛前に目がチカチカするなどの症状が現れることもあります。緊張型頭痛は、精神的ストレスが誘引になることもあり、数日にわたり頭が締めつけられる痛みがあり、不登校になる子もいます。片頭痛の子どもたちには、規則正しい生活、グルタミン酸(調味料などのうまみ成分)の入った料理やコーヒーなどの刺激物を避け、緊張型頭痛では首や肩の筋肉を温め、動かすことも必要です。長時間のコンピュータやテレビゲームを避け、ストレッチや体操などもよいでしょう。一次性頭痛については、薬による治療法もあり、医師と相談されるのがよいでしょう。

二次性頭痛の対処法

 二次性頭痛の中には、生命の危険を伴う重大な疾患もあり、脳腫瘍など外科的な治療が必要な場合もあります。二次性頭痛を疑うポイントは、「いつもと様子がちがう頭痛」「どんどん悪化していく頭痛」などですが、幼い子どもでは的確に症状を訴えられず、普段から子どもの健康状態に注意を払っておく必要があるでしょう。頭痛に加え、発熱や発疹がある、嘔吐を伴う、顔面神経麻痺などの神経症状がある、何となく意識がおかしい、などがあれば重大な疾患が潜んでいる可能性があり医師の診察が必要です。CTやMRIなどの画像診断や髄液検査が必要な場合もあるでしょう。

(竹中義人)

 

 脳神経・くび   投稿日:2006/09/01