予防接種の副反応

 

cc162 肺炎球菌ワクチンをうって翌日に高熱が出た、三種混合の後に腫れた、ヒブや肺炎球菌ワクチンの接種後に死亡例が!・・・これらは副反応でしょうか?

 ワクチンは、病気のもととなるウイルスや細菌の成分を含んでおり、それはヒトにとって異物です。異物を身体に入れるのですから、身体はその異物に反応して、熱が出たり、うった場所が腫れたりします。これは本物の副反応。軽い症状ですが、割とよく起こる事です。ほとんどの場合放っておいて構いません。すぐに自然に治ります。

 では、接種後に熱が出たら、それは必ず全て副反応? 違いますよね。たまたま風邪をひいたりして、偶然熱が出る事は誰にでもあります。もしこれを副反応と言ってしまえば、ワクチンにとっては無実の罪。実は、副反応とされている事柄のほとんどは、この無実の罪です。と言うのも、予防接種の副反応報告は、接種後一定期間の有害な事象“全て”を報告する事になっているからです。報告はこの無実の罪の方が圧倒的に多く、ヒブや肺炎球菌ワクチン接種後の死亡も無実の罪である事が統計上証明されています。

 でも、大変重い本物の副反応もあります。その代表は飲むポリオワクチン後の麻痺です。これは以前のポリオワクチンが生ワクチンだから起こった事。飲んだポリオウイルスがお腹の中で強毒化し発症しました。生ワクチンでは、非常に稀ですが、どうしてもこの様な事が生じます。不活化ワクチンでは起きません。ですから、ポリオはより安全な不活化に変更になりました。BCGやはしかでも同じような事があります。

 実は、不活化でも生でも、全てのワクチンで100万接種に1回程度、この様な本当に重い副反応が生じます。もしそれが嫌なら、接種しないという選択しかありません。

 しかし、ワクチンをしないで病気にかかるという事は、ワクチンによって起きるごく稀な重い副反応を恐れて、ワクチンより圧倒的に高い頻度で重い後遺症が残ったり死亡したりする可能性を選ぶという事です。

 貴方はどちらを選びますか?

(福田弥一郎)

 

 ワクチン   投稿日:2013/05/01