気になる子どもの友達関係

 

 園や学校で、お友達と仲良くできているかどうかは、親にとって気になることです。自分からいろいろお話してくれる子はいいのですが、聞いてもあまり話したがらない子もいます。そんな時つい根掘り葉掘りしつこく聞くのは逆効果、子どもの方はかえって話しづらくなってしまいます。面と向かうのではなく一緒に何かしながら、「今日、○○ちゃん来てた?」など、まずお友達や先生、行事のことを話題にしてはいかがでしょう。自分以外のことは案外気楽にしゃべれるものですし、本来子どもにとって、自分の話に興味を持ってもらえるのはうれしいことなのです。ただその時気をつけることは、内容について親の方が早急に事の善悪を決め付けたり、批判的になったりしないことです。周囲のことを子どもがどのように受け止めているのかを知ることがまず第一で、「おもしろいね」や「それはたいへんだったね」などと上手に相槌を入れながら、より多くを語りたくなるようなよい聞き手になってあげてください。友達の話のようでいて実は子ども自身のことであったというのもよくあります。そしてもしいじめを受けたことを疑わせるような話が出たとき、まず話せたことをほめてあげましょう。後の対応は内容の深刻度に応じて様々ですが、おとなにとっては些細なと思われることでも当人にとってはとてもつらい体験だったということもあり、安易に励ますつもりで「そんなことぐらいたいしたことない」は禁句です。そんな態度を示せば、以後は、どうせわかってくれない、話しても無駄と口を閉じてしまいかねません。子どもの言い分がかなり脚色されていたり、一方的であったりすることが予想されても、先に子どもの悔しかった気持ち、怖かった気持ちを汲んであげてください。そして落ち着いて「どうしたらいいか、一緒に考えよう」と言ってあげてください。その後で場合によっては相手の気持ちを想像させ、子どもの思い込みを徐々に正すことも必要になってくるかもしれませんし、身近な例として親の体験談を語ることもいいかもしれません。問題がそれほど込み入っていなければ、もうこれだけで子どもの気持ちが楽になり、勇気を持って自らで対処できることも多く、そのことが子どもの自信にもつながります。悩みをうちあけて、受け入れられ楽になったという経験をつむことで、今後も困ったことが起これば、自分の中だけで抱え込まず、周囲の人に相談しながら解決策を見出していくという、そんないい意味での処世術を学んでくれるのではないでしょうか?

(西嶋加壽代)

 

 3歳ごろから小学生ころまで   投稿日:2006/09/01