いざりっ子(シャフリングベビー)
乳幼児後期健診(10か月健診)で、お母さんから「まだ、はいはいがうまくできません。いつもお座りスタイルで移動します。そろそろ、つかまり立ちをするころなのに、抱っこをしても足をぜんぜん突っぱろうとしません。」と、時々相談されることがあります。
赤ちゃんは節目となる月齢ごとに寝返り、はいはい、つかまり立ち、一人歩きと段階を踏んで発達していきます。しかし、そのなかには、多少異なる発達の過程をたどる子もいます。そのひとつが、はいはいの代わりに座ったまま腰をゆすって移動するタイプで、シャフリングベビーと呼ばれる赤ちゃんです。
シャフリングベビーは、うつぶせの姿勢をいやがり、寝返りもゆっくりで、両脇を抱えて抱き上げた時や、その後に床に降ろそうとしても下肢を曲げたままで足を伸ばそうとしません。そしてお座り以降の発達が遅れがちになることが多いようですが、知的な発達は正常です。歩き始めるのは、1歳6か月から2歳と遅れる傾向がありますが、ほとんどはその後は正常に発達します。歩き始めれば、下肢全体の成長も他の子に徐々に追いついていきます。
しかし、一見シャフリングベビーと思える赤ちゃんの中にも神経の病気が隠れていることもありますので、足をつっぱらないだけでなく、(1)ミルクののみが悪く、泣き方も弱い、(2)首のすわりが悪く抱っこするとぐらぐらする、(3)表情の発達が乏しく、言葉の理解も遅い、(4)手指の発達が遅い、などが見られる場合は、念のため小児科医に相談されると良いと思います。
(坂崎弘美)
生後半年から2歳ごろまで
投稿日:2006/09/01