母子健康手帳

 

cc100 妊娠、出産から育児の間、健診の際には母子手帳を持参しますね。母子手帳は正式には「母子健康手帳」と言い、その名のとおりお母さんとお子さんの健康を守るために作られたものです。市町村の保健センターや医療機関では妊婦・乳幼児健診、予防接種などを実施し、その結果を母子手帳に記載します。母子手帳は個人の成長過程を記録し、かつ親が自分の手元に置いておける大変便利で重要な健康管理手帳なのです。

 子どもは日々成長するので、その発育・発達を胎児期も含め長い目で見守ることが大切であり、医師がひとりの子どもを診る場合、母子手帳は大変有用な情報源となります。

 たとえば「うちの子は順調に発育しているんでしょうか」というお母さんの質問に対して、医師は現在の身長、体重だけで判断することはしません。今までどのように大きくなってきているのか、母子手帳をみて過去の健診データを確認し、その子の発育を評価するでしょう。またその子が何か病気にかかった際、その診断のために今までに罹患した病気や済ませている予防接種を確認する必要があります。この場合も母子手帳があると容易に情報収集ができます。ですから小児科を受診される時には是非母子手帳を持参して下さい。

 また母子手帳は単に医療従事者の便利のためにあるものではなく、親子自身のものであり、育児の大切な記録です。子どもの成長の様子とともに、親が子育て中のその時々の自分たちの気持ちや心配事、疑問点を書く欄もたくさんあります。お母さんだけでなく、お父さんもぜひ書き込んであげて下さい。お子さんが大きくなって母子手帳を見たら、自分がどんなふうに生まれ、どんなに大切に育てられたかを知り、ご両親との絆を感じるでしょう。母子手帳は子どもにとって家族の愛情がいっぱい詰まった世界でたった一つの宝物になると思います。

(板金康子)

 

 妊娠・出産   投稿日:2006/09/01