きょうだいげんか

 

cc053 子どもは活発に動きまわります。ときには、きょうだいで、おもちゃや本の取り合いをしたり、食べものをわけあたえなかったりすると、けんかになります。

 でも、これは子どもの「人生」そのものです。直ぐに、おとなが中に入って「やめなさい」と厳しい言葉で叱ったり、どちらかが「悪い」と審判したりしないのがよいようです。ふつう、子どもは大げんかをしても、そのうち何となく、もとの仲良しになっていますでしょう。

 つぎの子ができると、上の子は、赤ちゃんを可愛がったり、噛みついたり、お母さんを取られまいと膝に割り込んできたり、揺れ動きます。

 子どもは、さびしいときや弱っているときには、お母さんを求めます。守って欲しいのです。なるべく優しく慰め、抱き取ってあげて下さい。子育ての中のイライラから、つい「あっちへ行って遊びなさい!」と突き放したりしないで、赤ちゃんのおしめの取り替えを手伝ってもらったり、育児に参加してもらうのはいかがでしよう。

 ところがきょうだいでも、不思議なことに気質や性格が驚くほど違うでしょう。一方母親にも個性があります。どちらかの子どもの性格が、どうも苦手と感じる母親もあるでしょう。もちろん、自分では平等に扱っているつもりでも、子どもは自分だけが叱られていると感じるときがあるようです。「駄目な子ね」という母親の言葉は禁物です。こんな時、父親のチョット遠くまで届く眼差しが必要です。ヒトは両親や養育者、きょうだいや友達など、みんなとの生活の中から、相互にこころの栄養を吸収し合って、ともどもに発達し成熟していくのです。きょうだいげんかもその経験の一つです。

(菅原重道)

 

 家族とのかかわり   投稿日:2006/09/01