下痢の時の食事(幼児)

 

cc042 子どもが急に吐いたり下痢をしたときどうすれば良いのでしょうか。脱水にならず早く下痢がおさまるような食べ物を与えることは、かかりつけ医を受診し治療を受けるのと同じくらい大事なことです。

 嘔吐のある時は、一時食べ物をやめ、1時間おきに水分(下記の下痢の時の水分補給野の項を参照)を少量(50~70ml)与えましょう。飲ませる量の目安は、尿量が普段に比べて大きく減らない程度です。

 吐き気がとれたら、おもゆやくずゆから開始し、徐々にかゆの濃さを増して下さい。通常、急性下痢は数日で回復するのでカロリーについて考える必要はありません。白粥を好まない子は、人参やかぶの裏ごしを加えたおじやや柔らかい煮込みうどん(具は裏ごし野菜)を与えます。

 食欲が出てきたら、副食として白身魚のほぐし煮、玉子とじ、豆腐のみそ汁、じゃがいも・にんじん・かぶの柔らか煮、おろしリンゴやゼリー類などを与えます。はじめは、子どもが欲しがるより少なめが良いでしょう。回復してくると繊維の多いもの(ごぼう・ごま・セロリ)や脂肪分の多いもの(牛肉・豚肉・炒めもの・ケーキ類・牛乳)をさけながら食事を進めてあげましょう。下痢の時の水分補給:下痢の時には便中に水分とともに塩分(ナトリウムやカリウム)が失われるため電解質の補給がいります。また少量の糖分の補給も必要です。そのため水分補給にはお茶や白湯だけでなく、赤ちゃん用のイオン飲料(アクアライト等)、野菜スープや果汁などの糖質や電解質を含む飲み物の併用が必要となります。甘すぎるジュースやコーラは下痢が治りにくいので避けましょう。 

注:近年、外国で言われている急性下痢の治療指針は、水分と塩分の補給を経口で速やかに行い、脱水が補正されたら普段と同じ食事を与えるとなっています。多くの子どもはこの方針でも良くなると考えられますが、一部の子どもは上記のような食事の注意が必要になります。

(牧 一郎)