下痢の時の食べ物、飲み物(乳児)

 

cc041 普段元気な赤ちゃんが急に吐いたり、下痢をしたときに大切なことは脱水に注意することです。嘔吐があったり下痢の症状が強ければ、かかりつけ医の診察を受ける必要があります。特に血便、強い腹痛や元気なくぐったりしたときは急いで小児科医の診察を受けてください。多くの子どもさんは点滴や入院をせずに治療できますが、その際は家庭での水分や食べ物の与え方に工夫が要ります。

 通常急性の下痢は数日で回復するので、この間の食べ物は栄養よりも水分と塩分の補給が中心になります。吐き気のあるときは、一時食べ物をやめて頻回に脱水補正の飲料等の水分を与えます(下記の下痢の時の水分補給の項を参照)。目安は30分おきに20~30mlずつですが、最初飲みにくいときは5分おきに5mlづつ与えてもかまいません。この水分補給は様子を見ながら少しずつ量を増やしてください。この間、赤ちゃんが飲んでくれるなら母乳は水分の間で与えてもかまいません。吐き気がとれて水分が十分(一回100ml程度)飲めるようになれば普段の乳児用ミルク(もちろん母乳は可です)やいつも食べている離乳食を少量から与えます。3時間おきに哺乳し量も増やしていきますが、この間も水分補給は十分な尿量(おしめがよく濡れる程度)を目安に1~3時間おきに与え続ける必要があります。下痢が長引く時は、ボンラクトやラクトレス等の下痢用ミルクに変更するほうがよいでしょう。離乳食は、おじや、野菜(かぼちゃ、人参、じゃがいも)の煮物などからはじめ、徐々に白身魚の煮物や豆腐などの蛋白質を加え、脂肪を多く含むものは便が固まってから与えるようにします。

  • 下痢の時の水分補給:下痢の時には便中に水分とともに塩分(ナトリウムやカリウム)が失われるので電解質の補給がいります。また少量の糖分補給も必要です。そのため水分補給にはお茶や白湯ではなく、脱水治療用の飲料(ソリタT2顆粒やOS-1)、赤ちゃん用のイオン飲料(アクアライト等)、野菜スープ(※)や果汁などの糖質や電解質を含む飲み物の併用が必要となります。特に嘔気や下痢が続くときなどは、治療用の飲料を根気よく与えることが大切です。

野菜スープ:じゃがいも、人参、トマトなどを煮た上澄みを用い、薄く塩味をつけたもの。(濾した上澄み500mlに対して食塩小さじ4~5分の1)

(牧 一郎)