浣腸

 

 うんちを出したいけれど出ない! うちの子4日ぐらいうんちが出ていない? こんな時、便を出そうといろんなことをしますが、結局困った時にしてみるのが浣腸です。

 ここでは家庭でする具体的な浣腸の方法を紹介しましょう。市販の浣腸液を使うのが便利です。赤ちゃんの浣腸をする時は子どもの両足を持ちあげ、挿入部分を肛門からおへその方向にそおっと2センチぐらい入れます。それから3秒ぐらいで液をいれ、速やかに抜いた後手早くティッシュなどで肛門を押さえて2、3分待ちます。15分ぐらいして便がでない時はもう一回しても構いません。

 ところで浣腸液の量は体重1kgあたり1gから1.5gまで使います。それ以下の量ではあまり効果を期待できません。有名なイチジク浣腸(商品名)の10g製剤の説明書には1歳未満は医師に相談となっています。これはいろんな場合を考えて安全策をとっているものですが4か月すぎの体重7kgの赤ちゃんに10g全部使っても問題ありません。10kgの1歳児には20gまたは30g製剤を15gぐらい使って下さい。2歳以降になるとやり方も変わってきます。身体を横にして軽く足を屈曲させて同じ要領で行いますが、少し深く入れ、浣腸液が多くなった分だけゆっくりと液を入れてください。便秘をよく経験する4、5歳では20gから30gを目安に入れてください。中途半端な量だとかえって腹痛を強くしたり、気持ち悪さだけ残ってしまいます。しかしながらいっぱい出そうと浣腸液を必要以上入れると、貯まっていた便が一気に出て、血圧が下がり虚脱状態になることがあります。説明書とちょっとズレがあるかもしれませんが適切な量を躊躇なく使うのがコツです。あと冬場は浣腸液を体温程度に温めることを忘れずに。

 ただし、(1)おう吐や吐き気がかなり強い時、(2)顔色が悪い時、(3)明らかに脱水状態の時、(4)肛門から出血している時は浣腸を控えてかかりつけの小児科医を受診してください。

 浣腸をして便が出た後は、アーすっきり、急に食欲が出てきたりします。うなされていた高い熱からも解放されたようになることもあります。浣腸は抜群の効果を出すものです。

イチジク浣腸(商品名):グリセリン50%液のグリセリン浣腸製剤です。

(武知哲久)