セカンドオピニオン(診療所)

 

cc026 こんなケースがありました。2歳半の太郎君は交通事故で頭蓋内出血をおこし入院しました。病院では脳外科A医師と小児科B医師の二人が主治医になり、幸い手術も成功し無事退院する事ができましたが、お母さんは後遺症とか退院後どうしたらいいのか不安でした。「薬は何時まで飲まなければならないのでしょうか?」「後遺症は残るのでしょうか?」こんな質問を脳外科と小児科の医師に回診の時に別々に聞きました。お母さんには二人の医師の説明が微妙に異なるように思えました。でも面と向かって主治医に「小児科の医師の説明と脳外科の医師の説明が違います」とは言えませんでした。

 お父さんとお母さんは誰か別の専門医の意見を聞きたいと思いました。みんな同じ意見なら安心できると考えられた訳です。しかしどこにいけばその専門医の診察を受けられるのか解りません。お母さんはかかりつけの小児科C医師に意見を聞きました。しかしそのかかりつけのC医師の専門は神経学ではなかったので、C医師は学会等で懇意している某病院のD医師に連絡して診察の予約を取り、同時に病院の小児科のB医師に事情を説明し、脳波や脳のCT写真また入院中の経過とD医師への紹介状を揃えてもらえるように連絡しました。

 その小児科B医師が快諾したことはいうまでもありません。1週間後お母さんはD医師のいる病院を受診しました。結果は最初の病院と同じ意見で、D医師は最初の病院で脳外科と小児科の意見が少し違うと思えた理由を説明してくれました。お母さんはA,B,Dの3医師の意見が同じであったことに安心しました。このようなエピソードが「セカンドオピニオンを聞く」と言う事だと思いますが、この円滑な流れにかかりつけのC医師は重要な役割を果たしています。健康の問題で複数の医師の意見が聞きたいと思った時は、まずかかりつけ医に相談してください。

(小國龍也)

 

 小児科とのつきあい方   投稿日:2013/05/01