園や学校における新型コロナウイルス抗原検査について

 

 政府は、クラスターの大規模化及び医療のひっ迫を防ぐ観点から、順次配布を進めていた高等学校等に加えて、中学校、小学校、幼稚園等に対しても抗原簡易キット(以下キットと略す)を配布することとなり、出勤・登校後に発熱などの体調不良をきたした場合に、速やかな帰宅が困難であったり、直ちに医療機関を受診できない教職員や児童生徒(小学校4年生以上)を対象として、キットを用いて迅速な検査を実施することを想定しています.
(https://www.mext.go.jp/content/20210826-mxt_kouhou01-000007004_2.pdf)
 また、文部科学省・厚生労働省連名で、①高校等、②小学校及び中学校等、③幼稚園等それぞれに対して、「キット活用の手引き」が示されています.キットによる検査にあたっては、研修を受講した教職員の立ち合いのもとで、鼻腔検体の採取及び検体採取後の操作を被験者自ら行ない、検査結果の確認は、児童生徒本人ではなく教職員が行なうこととなっており、検査結果が陽性と判定された場合は確定診断目的での、陰性と判定された場合は偽陰性かどうかの確認目的での医療機関受診が必要となるため、いずれの場合でも速やかに帰宅しなければならないとされています.
(https://www.mext.go.jp/content/20210818-mxt_kouhou01-000004520_1.pdf)
(https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/mext_00140.html)
 以上のように、園や学校内で抗原検査を行なったかどうかにかかわらず体調不良者への対応は同じで、抗原検査を受ける者や検査結果を判定する者の心理的負担等を考えると、園や学校内での抗原検査は安易に行なうべきではないと大阪小児科医会では考えています.

(プライマリ・ケア部会感染症対策委員会)

 

この記事は大阪小児科医会ISOP 309号(2021/9/17発行)に掲載されています。
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 未分類   投稿日:2021/09/17