「小児の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の臨床的な特徴」および「新型コロナウイルス検査適応(日本小児科学会の考え方)」

 

 日本小児科学会より、「小児の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の臨床的な特徴」および「新型コロナウイルス検査適応(日本小児科学会の考え方)」が公表されました. 以下に内容の抜粋を示します.
(http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=329)
 これまでに報告された小児(0-18歳)のCOVID-19の報告例(2020年3月8日現在)から、小児におけるCOVID-19は以下のような特徴をもつ比較的軽症なウイルス性の気道感染症の病像を呈することが示されました. 
①主な症状は発熱と咳嗽である. ②臨床経過については不明確なところが多い. ③血液検査上の特徴はない. ④報告例の中で呼吸不全を呈した例は少ない. ⑤抗HIV薬やインターフェロンαの有効性は明確でない. ⑥軽症あるいは自然軽快する症例がほとんどである. ⑦ウイルス排泄は、症状の有無にかかわらず、鼻咽腔の他に便中からも長期にわたって確認されている(ただし、便に関する感染性は不明).
 中国における小児(0-18歳)の報告例は全体の2.4%を占めるに過ぎず、日本国内も散発例に留まっています. また、中国での濃厚接触者の年齢別検討では、小児の罹患率は成人と変わらないことが示されています. 小児の報告例が少ない理由は、無症状あるいは軽症が多く、検査実施に至っていないためと類推されるとのことです.

(プライマリ・ケア部会感染症対策委員会)

 

この記事は大阪小児科医会ISOP 291号(2020/3/23発行)に掲載されています。
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 未分類   投稿日:2020/03/23