子育て通信

揺さぶられっこ症候群

cc121 赤ちゃんを強く揺さぶってはいけないってことをみなさんご存知でしょうか? 1歳くらいまでの赤ちゃんの場合、脳と頭蓋骨のすき間が大きく、その間を結んでいる血管が切れ硬膜下血腫をおこしやすいことが知られています。その結果、運動障害や知能障害を来たし、場合によっては亡くなってしまわれることもあります。揺さぶられっこ症候群は、乳幼児を揺することにより、頭頚部が強く振動し、体表には外傷があまりないにも関わらず頭蓋内出血や眼底出血が引きおこされる場合をいいます。

 誰もわざと赤ちゃんをそんなに乱暴に扱うことはありませんね。でも、かわいさあまりに、放り投げるように高い高いをして遊んだりすることはよくあるのではないでしょうか。あるいは、寝返りし始めた赤ちゃんが50㎝くらいのソファーなどから落ちてしまったり、お座りができ始めた赤ちゃんがごろんと転んでしまって、頭を床や畳などで打つことはありますね。軽くみえるような出来事でも、頭部の揺れは案外強く、回転加速度が加わることにより血管が切れ出血を起こすと考えられています。長時間のドライブが原因となった事例の報告も最近ありました。

 もし揺さぶられっこ症候群が発症しますと、嘔吐や哺乳の低下、けいれん発作などがみられます。これらの症状がみられたら小児科医がいる病院を受診された方がいいでしょう。ほとんどは風邪や、熱性けいれんのようにそれ程心配のない病気ですが、必要に応じて頭部CTなどで確認します。このようなお話を聞くと、お母さん達は赤ちゃんの扱いを慎重にしていただけると思います。でも、毎日のお世話は大変なので、時にはイライラしてストレスがたまったように感じることがありますね。そんな時に思わず赤ちゃんを強く揺さぶって泣き止まそうとすることはないでしょうか。あるいはお父さんが赤ちゃんを乱暴にあつかって、それを注意しても聞き入れてもらえないことはないでしょうか。そのような状態を放っておいて揺さぶられっこ症候群を発症してしまうと取り返しのつかないことになります。一人で悩まないで府の子ども家庭センターや市の子育て支援室、保健所や保健センターなどに相談してみて下さい。

(田邉卓也)

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