子育て通信

なぜもっと早く診せてくれなかったの

cc021 小児科にかかろうとするタイミングは、主に親の判断によるものと思われます。経験の少ない親にとって子どもの病気が重いか軽いかを見分けるのは簡単なことではありません。子どもの受診について、お母さんはどちらかというと自分の不安の程度で決められていないでしょうか。この親の判断と医師の判断にズレがあるときに問題が生じます。「なぜもっと早く診せてくれなかったの」という言葉には早ければこんな状態までならなかったのにと思う気持ちが含まれていますが、実際にこの言葉が医師から出ることはあまりありません。小児科医は子どもの病状判断の難しさを知っていますから、親には丁寧に状況を説明するでしょう。お母さんは発熱、咳、下痢などには敏感ですが、子どもの体つきや行動の変化にはどうでしょうか。例えば頭とかお腹が大きすぎる時も病気が隠れていることがあります。いたずらっ子だったはずの子どもが静かになったとき、何かからだに変調があることを示しているものです。他の児と感じが違う、いつもと違うと感じたら遠慮することなく、小児科を受診してみましょう。また他科と症状が重なる(例えば足の痛み、咳、湿疹といったもの)ときも、経過が思わしくないと感じたら、早めに小児科医の診察を受けて下さい。思わぬ大きな病気だったりします。本来こどもの診療は小児科医から始め、必要に応じて他の科に移行してゆくものです。

 ところで、前々から子どもの状態がおかしいとわかっていながら、生活や仕事の都合で夜や土曜日の診療時間終了ぎりぎりになって受診することは感心できません。なぜなら後に続く必要な検査や治療(もちろん入院を含めて)があっても、今の日本の医療状況では、平日の昼間のような対応はできないのです。そんな時でも小児科医はできる限り十分なことをしようと努力をします。でも「なぜもっと早く診せてくれなかったの」という言葉がもれるかもしれません。結局一番つらい思いをするのは子どもであることに気付いて下さい。ゆとりある受診でゆとりある診療提供をしたいものです。

(武知哲久)

 小児科とのつきあい方   投稿日:2006/09/01
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