「小児救急医療の充実に向けて 」

 9 月上旬に岩手県で、診療時間外に小児科の診療を受けられなかった 8 か月の子が亡くなったという報道がありました.詳しい事情は不明ですが、地域によっては、小児救急医療の体制が十分でないという問題が改めてクローズアップされました.

 10 月 20 日付の朝日新聞に「小児科医が 24 時間いつでも救急病院に待機する態勢が整っているのは、全国を 360 に区分けした地域 ( 2次医療圏 ) の 32 %にすぎないこと」が報道されています.

 幸いなことに大阪府では、24 時間、小児科医の診療を受けられる体制が整っているとされています.しかし、小児医療は小児科医の不足、病院小児科の体制の縮小、小児医療の不採算性といった問題をかかえています.現在の体制を維持し続けることや、さらによりよい体制の構築のためには、多くの解決すべき問題があります.

 大阪小児科医会では、勤務医部会が中心となって、大阪府における小児救急医療の実態を調査し、よりよい体制作りへの提言を行ってきました.その結果、府内の各地で小児救急医療を改善しようとする動きがみられます.限られたマンパワーを有効に使って、不採算といわれる小児救急医療をさらに充実するために、これからも当会は小児にかかわる人々と協力して、保護者の方が安心して小児医療を受けられる体制実現をめざしていきたいと考えています.しかし、私達小児科医だけでは、できることに限りがあります.現在は小児救急を大きな社会問題としてとらえ、子供の保護者も含めた国民全体で議論し考えるべき時期に来ていると思います.ぜひ皆様のご意見をいただきたいと思います.

(西垣・牧)